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更新日:2024年3月18日

ハイビームの適正・効果的な使用で夜間の交通事故防止

ハイビームを適正に使用しましょう!

車両の走行時は走行用前照灯(ハイビーム)を使用している状態が基本になります。

交通量の多い市街地などを通行しているときを除き、前照灯は上向き(ハイビーム)にして、歩行者などを少しでも早く発見するようにしましょう。

また見通しの悪い交差点やカーブなどの手前では、前照灯を上向き(ハイビーム)にするか点滅させて、ほかの車や歩行者に交差点への接近を知らせましょう。

ロービームへの切り替え

交通量の多い市街地の道路などでは、前照灯を下向き(ロービーム・すれ違い用前照灯)に切り替えて運転しましょう。対向車と行き違うときや、ほかの車の直後を通行しているときは、前照灯を減光するか、下向きに切り替えなければなりません。

※自動車等は、夜間、他の車両等と行き違う場合、または他の車両等の直後を進行する場合で、他の車両等の交通を妨げるおそれのあるときは、前照灯の光度を減じ、また照射方向を下向きにするなどの操作をしなければならない。(道路交通法第52条第2項)

※他の車両等の通行を妨害する目的で、その車両等に道路における交通の危険を生じさせるおそれのある方法により、道路交通法第52条第2項の規定に違反する行為をした者については、極めて悪質な運転行為として「妨害運転」に認定され、厳しい処罰・処分を受けることになります。(道路交通法第117条の2の2第1項第8号)

ロービーム運転では危険!

前照灯の照射距離は、

  • ハイビーム(走行用前照灯)は約100メートル
  • ロービーム(すれ違い用前照灯)は約40メートル

と道路運送車両法の保安基準等により定められています。

また照射距離とは別に、車両の運転者から歩行者への視認距離は歩行者の服装等によって変わります。

ロービーム時の車両の運転者から歩行者への視認距離は、

  • 暗い色の服装の歩行者で約26メートル
  • 明るい色の服装の歩行者で約38メートル
  • 反射材を使用している歩行者で約57メートル以上

となります。((一社)日本反射材普及協会調べ)

車両は高速で進んでいます。時速40キロでは1秒に約11.1メートル、時速50キロで約13.8メートル、時速60キロで約16.7メートルも進みます。

街灯の少ない暗い道、前方に走行する車両がなく、すれ違う車両もいない場合、車両が時速50キロでロービームのまま走行すると、前方の暗い色の服装の歩行者を視認できるようになってから、衝突するまでの時間は約2秒しかありません。もしこの2秒の間に運転手が歩行者の存在に気づかなければ、歩行者が避けない限り、車両と歩行者は衝突してしまいます。

また車両は急には止まれません。路面の状況などにより異なりますが、時速40キロの車両の停止距離は約22メートル、時速50キロでは32メートル、時速60キロでは約44メートルとされています。ロービームで時速50キロで走行していると暗い色の服装の歩行者を視認し、急ブレーキをしても、歩行者と衝突する前に停止することはできません。

 

ロービームはすれ違いを想定した前照灯のため、すれ違う車が眩しくないように照射範囲は左側に寄っています。そのため、車両の右側から横断してくる歩行者は見つけにくくなっています。

 

ロービーム運転では回避できない交通事故があります!

ハイビームとロービームはこまめに切り替えて運転しましょう!

夜間の横断歩行者に注意!

車両と歩行者の人身事故の発生状況を見ると、交通量や人の外出の多い昼間に多く発生していますが、死亡事故ではその多くは夜間に発生しています。夜間は重大な交通事故が発生しやすい傾向があります。

夜間の車両と歩行者の死亡事故の多くは、歩行者の道路横断中に多く、また歩行者の道路横断の方向別では、車両の右側から横断する歩行者との死亡事故が多く発生しています。

夜間の歩行者死亡事故の歩行者の多くは高齢者です。ハイビームの適正、効果的な使用と高齢者を交通事故から守る「思いやり運転」で交通事故を防止しましょう。

ハイビームを適正、効果的に使用することで防止できる可能性がある交通事故が多く発生しています!ハイビームで夜間の歩行者の存在を早期に認識して、歩行者を交通事故から守りましょう!

 

情報発信元

交通総務課